
AVファンなら誰でも知っている人気のシリーズ企画、マジックミラー号。「アメトーーク!」でケンドーコバヤシがプレゼンした「マジックミラー号芸人」がDVDに収録されるなどお笑い芸人にもファンが多い企画AVです。

ナンパした女の子を口説いてセックスまでもっていくワクワク感、外から見られているかもというドキドキ感や外にいる彼氏の前でセックスしてしまう寝取られ背徳感など多様な企画で活躍するマジックミラー号のすべてをまとめてみました。
マジックミラー号の歴史
初代マジックミラー号誕生の背景となったSODの経営危機
1996年、SOD(現在のSODクリエイト)は伝説のバカAV「地上20メートル空中ファック」を発売しました。

その内容は6台のクレーンでアクリル板を地上20mに吊り上げ、四方八方どこからも丸見え状態で制限時間30分で女優をイカせて射精できるかを有名男優7人が競うSEXバトル!
90年代後半、インディーズビデオが台頭した時代ならではのおバカ企画。テレビ制作会社で「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」のADを務めていた経歴のある髙橋がなり(SODの創始者)がテレビバラエティの手法を取り入れた斬新な企画AV。
ジャケットには総製作費3,000万円と書かれていましたが、久保直樹著「わが青春のマジックミラー号」によると実際の制作費はなんと9,000万円を超える額に達していたそうです。

しかしながら「地上20メートル空中ファック」は空中でのセックスという斬新さにこだわりすぎたあまり、カメラアングルが遠すぎたためにAVファンには「面白いけどヌけない」と不評で全く売れませんでした。
SODは「全裸スポーツ」シリーズで稼いだ金のほとんど全てをこの企画に注ぎ込んでいたため、会社の存続が危ぶまれるほどの窮地に陥ったのです。
1996年 初代マジックミラー号
「地上20メートル空中ファック」の不振によるSODの経営危機を救うために新しい形のナンパもののアイディアを模索してく中で髙橋がなりが考案したのが初代マジックミラー号でした。
初代のマジックミラー号はテレビの大道具に50万円で作ってもらった単なるベニアの箱にマジックミラーを仕込み、これを2トンロングのトラックの荷台に積み込んだだけのもの。

初代マジックミラー号はベニヤ板で作られてマジックミラーもプラスチックで押すと歪むくらいの粗末な作りでしたが、これは髙橋がなりの「いかにも壊れそうに作れ」という指示によるもの。
女の子に対して「なにかあったらここぶち破って逃げれるし、キャー!って大声出せば周りにも聞こえますから」と伝えて女の子を安心させるための作戦。
また車内には「モザイクボード」と呼ばれる顔を隠すための擦りガラスのボードを用意したのも、あとからモザイク入れますからと説明しても女の子は信じてくれないから。

ナンパAVで女の子にその気になってもらうために、怖いと思うことを徹底的に排除してハードルをどんどん下げようというアイディアが初代マジックミラー号を大成功に導いた秘訣だったのかもしれません。
もう一点、マジックミラー号シリーズが他のナンパAVと違っていたのは、従来のナンパAVに強かったヤラセ感、リアリティーのなさを払拭した「1万円でおっぱい見せてください!お願いします!」という直球のギャラでの交渉でした。
AVファンがナンパAVを見るときに求めるのは、華麗なナンパテクニックではなく、そんなことをしそうもない女の子がエッチなことをしてしまうというギャップ。
ガチで交渉してもホテルでの撮影では警戒されてしまうところを、マジックミラー号という非日常空間を用意することで女の子を気持ちを高揚させて、あの特殊な環境があるからこそ脱いでくれるとAVファンに思わせたリアリティーも優れた演出でした。

実際にナンパした素人だったのか、あるいは仕込みだったのかはわかりませんが、実際は本物の素人でもそれが仕込みの女優に見えればAVファンにとってはウソ、反対にたとえ仕込みでも本物の素人に見えればAVファンにとっては本物。当時のAVの世界で徹底したリアリティーを追求したSODだからこそ生み出せた大ヒット企画が当時の経営破綻寸前だったSODを救ったのです。
1997年 「逆ナンパ」シリーズ開始
AV女優が成人式や入学式に赴き素人男性をナンパする「逆ナンパ」シリーズがスタート。このシリーズも爆発的なヒット作となります。
1998年 さらなるシリーズ展開
1998年は振袖ナンパ編、成人式晴れ着で野球拳編、湘南ビキニ編、私をスキーに連れてって編、京都・大阪・神戸をめぐる三都物語編などの新企画をどんどんリリースした年。
初期のマジックミラー号でナンパ担当として活躍し、のちにSOD社長になった菅原ちえが女流監督としてデビューし「ウブな女のちんちん研究」「初めてのDeepKiss」がヒット
1999年 ディープスに移行
1999年にマジックミラー号はこの年に設立されたディープスに移行。その後も現在に至るまでSODからも定期的にマジックミラー号作品はリリースを続けています。
2001年 2代目マジックミラー号誕生
現在、撮影に用いられているマジックミラー号は、2001年に製作された2代目マジックミラー号。2代目の製作にはおよそ5000万円という費用がつぎ込まれ、撮影の幅を広げるさまざまなギミックが盛り込まれています

2009年 小型のマジックミラー便(MM便)誕生
2代目マジックミラー号は何度も改造が繰り返され、撮影スペースであるミラーボックスを拡充していったため、ついには路上駐車が困難なまで車体が大型化してしまったため、機動性を求めて2009年にマジックミラー号をを小型化したマジックミラー便が製作されました。このマジックミラー便も2023年現在もディープスの人気企画 マジックミラー便の撮影用に活躍しています。

2017年 マジックミラー便シリーズで素人女性顔モザイク解禁
ディープスのマジックミラー便シリーズは2017年6月より全作品で素人女性の顔モザイクを解禁しました。記念すべき第一作は「顔出し解禁!! マジックミラー便 3分前まで女子高生!卒業式直後のオキテ破りナンパ!!日本全国の制服人気No.1高校完全網羅スペシャル!ALL新作撮り下ろし総勢30人!本番JK10人!!2枚組8時間!in東京・横浜・静岡・名古屋・大阪・神戸」

2018年 新レーベル「マジックミラー号ハードボイルド」設立
SODグループのAVメーカーであるサディスティックヴィレッジが2018年6月に新レーベル マジックミラー号ハードボイルドをスタート。マジックミラー号に羞恥やマシンバイブなどハードな内容をプラスして人気を得ています。
様々な場所でナンパした素人女性にマジックミラー号内でマシンバイブなどを駆使してハードに責め立て、最後は中出しで終わるというのが基本の流れ。記念すべき第一作目は「マジックミラー号ハードボイルド1秒に19回の激ピスマシンバイブで人生初のポルチオイキを体験して潮を吹きまくった彼女さんはデート中の彼氏を裏切ってデカマラを自分から挿入してしまうのか!?」

2019年「逆転マジックミラー号」シリーズ開始
2019年1月にSODクリエイトより逆転マジックミラー号シリーズがスタート。
通常のマジックミラー号は中から外が見え、外からは見えないという状況ですが、この逆転マジックミラー号は、文字通り逆転の発想。中からは外は見えず、外から中が見える照明セッティングにしてAV男優のテクに堕ちていく素人娘の痴態をその知人が大勢でマジックミラー越しに生観察するという内容。
このシリーズの秀逸な点はセックスが最高潮に達したところでマジックミラーに照明を当てて中からも外が見えるようにする流れ。外から見えないと思っていた女性が自分のあられもない姿を見られていることに気づき羞恥心に身悶えしながらもイキ果てるという演出がめちゃエロです。
もちろんこれは公道で撮影すると公然わいせつ罪で逮捕されますので、一般の人が入って来れない場所で撮影されていますし、出演しているのは企画女優、企画単体女優、外から見ている男性はエキストラです。

2021年 マジックミラー号25周年
2021年でマジックミラー号は25周年を迎えました。登場して四半世紀をすぎてもなお企画AVの人気作品として絶大な人気を誇っています。
現在ではディープスを中心にSODクリエイト、サディスティックヴィレッジの3メーカー(いずれもSODグループ)でマジックミラー号作品が制作されています。

マジックミラー号の構造と内部
世界に1台しかない特殊車両、マジックミラー号の車両について解説していきます。
マジックミラー号のベース車両は?
マジックミラー号は三菱ふそうのキャンターをベースに特殊車両の製造を専門とする大手車両仮装メーカーにより架装部に大改造をした特殊車両

通常時は何の変哲もない白いトラックにしか見えませんがが、一般には災害時用の救急車にしか使われないスーパーアンビュランスと呼ばれる大掛かりな展開機構で荷台部分に格納されていたカプセルがスライドし、AVファンにはお馴染みの「外が丸見えの走るヤリ部屋」が登場します。
マジックミラー号のセッティング
マジックミラー号の展開の際には「アウトリガー」と呼ばれる機構により地面に対して水平を保つ事前の調整作業が必要。こうした作業の特殊性からマジックミラー号を運行できるのはSOD車両部のベテランドライバー2名に限られています。

整備士やディーラーマンとしての経歴を持つ車のプロ2人の緻密な作業技術によってマジックミラー号が撮影部屋として機能するようにセッティングされます。

カプセルを引き出した反対側があのおなじみの全面マジックミラーになっている面です。

マジックミラー号の内部
マジックミラー号の内部はAVファンなら誰しもが見覚えのある青空に雲の壁紙が貼られています。この壁紙は年に1回のペースで張り替えられています。内装のイメージが定着しているため、今後も図柄を変更する予定はないそうです。

中に入ると広さは約6畳。窓(マジックミラー)が大きいためか思ったよりも開放感があり、一般の6畳の部屋よりもかなり広く感じます。

電力も豊富に供給されるため、停車時にエンジンを止めてもエアコンや換気扇が使用できます。

AV撮影の必需品、シャワーも設置されています。

マジックミラー号の照明には細かく光量を調整できる調光機能が備わっています。これは外より中が明るいとマジックミラーとして機能しなくなり、外から丸見えになってしまうため。日が落ちてからの撮影はできないし、日中でも部屋を明るくしすぎると中が見えてしまうために、微妙な光量調整が必須です。

マジックミラー号の重量とタイヤへの負担
これだけの機能を備えているため改造のたびに重量は増加する一方で3.5tの本体車重に対して、架装部は4〜5tにも及ぶといいます。三菱キャンターのノーマル車の最大積載量が3tであることからも足回りにかかる負荷の大きさが想像できます。2代目マジックミラー号の初期には「車体が傾く」「サスペンションが干渉する」といったトラブルが続出していたそうです。
足回りを強化してもタイヤにかかる負担は予想外に大きく、タイヤは厳重に管理されているものの過去には一度のロケでタイヤが二度バーストしたこともあるそうです。

マジックミラー号の駐車スペース
マジックミラー号の大きさは駐車場所の確保の際にネックになることも多く、特に展開する際には普通車の3台分以上の駐車スペースが必要です。撮影場所によっては警察への道路使用許可申請も必要となります。

マジックミラー号の運転の難しさ
マジックミラー号は大きさだけではなく、車高3.5mと高さもあり、しかも重量も一般のトラックよりもはるかに重いため、高度な運転技術が必要です。車体の長いトラックは曲がる角度によっては車体の後方部分が後輪より外側にはみ出すことがあり、斜め後方の障害物もなかなか目に留まりにくいものです。

ロケ先のホテルの駐車場での接触、橋桁との接触など数回の事故を経験しているそうですが、作りが特殊なだけに架装部分にダメージがあると修理費用も高額に。
任意保険にも加入しているものの、特殊車両だけに今後の加入を断られるリスクを恐れて自損事故の場合は基本的には保険を使わずに全額自己負担で修理しているそうです。
マジックミラー号が有名になりすぎた故のトラブル
巨大かつ特殊なマジックミラー号は人目につきやすく、通常はSODの社名やマジックミラー号のロゴはつけていないにもかかわらず、たくさんの人が集まってしまい、基本的にはADが対応するものの収集がつかなくなり警察が駆けつけるケースもあるとか。
しかしながら外から見えない状態で撮影をしている限り、法を犯しているわけではなく、必要に応じて道路使用許可申請もとって撮影していることから、説明をすれば警察側も理解を示すようです。

製造から20年以上を経たマジックミラー号
2001年に製作された2代目マジックミラー号、架装部は改造を繰り返してきたものの車両本体は2001年製のまま。走行距離は10万kmを超え、経年劣化が心配されるところですが、日常的なメンテナンスはSOD車両部が、整備や車検はディーラーがきっちり行っており、走行に関わる機関は極めて快調とのこと。

架装部の雨漏りや展開部の動作なども年に一度のペースで大規模修繕を行い、撮影に耐える状態を維持しているそうです。
マジックミラー号の今後
初代マジックミラー号から25年以上、AVの企画としてこれだけの長い年月を経ても今もなおトップクラスの企画AVとして売れ続けているのは驚異的。これもひとえにAVのリアリティーと面白さにこだわって制作を続けたSODグループの企画力の賜物で、世界に誇れる日本のAV文化のひとつだと言ってよいでしょう。

SODグループでは3代目マジックミラー号の開発も視野に入れており、その一方でマジックミラー号をラブホテルのない町に貸し出して町おこしに使ってもらう、少子化対策のためにマジックミラー号で童貞に風俗嬢から会話のしかた、キスのしかた、関係の深め方の講習を受ける童貞プロジェクトなど、AVコンテンツの充実という枠を超えて、世の中の人たちがさまざまなエロを刺激として楽しめるような取り組みを構想しているそうです。
マジックミラー号はまさにSODグループを象徴する存在であり、新しいチャレンジに踏み出すときに立ち返るべき原点になっているのです。SODグループがこれから世に提案する新しいエロの形にAVファンとして期待しています。
